来院する高齢者の中には、めまいを訴え脳卒中の前ぶれかと心配されますが、グルグル回る回転性のめまいでは、内耳障害が原因のメニエール病や良性発作性頭位めまい症もあります。一部には危険なめまいである小脳や脳幹に起こる脳卒中があります。危険なめまいの特徴は突然発症し物が二重に見える・少し顔の動きがおかしい・口のもつれ・飲み込みが悪い・歩行がふらつくなどの症状で、中枢性の脳病変を疑います。ふらふらする浮動性のめまいでは脳血流の低下原因も多く、精査をすると小さな小脳梗塞などが診断されたりします。
高齢者の増加に伴い、隠れ脳梗塞によるめまいが増えています。危険な脳梗塞の予備軍なので、MRIによる早期発見が必要です。最近では、血液検査でアクロレインという物質を測定し、簡単に脳梗塞発症リスクを評価し、大きな事態を予防する方法もあります。
(マイタウン H.27年10月1日掲載)