うつ病のように気持ちが落ち込むことはなく、体調も悪くないのに仕事や趣味などにやる気をなくし、単純なミスを繰り返えし、口数が減ったような場合は、隠れ脳梗塞の可能性があります。
その原因は高血圧です。高血圧は放置すると血管に動脈硬化を起こし、脳の血管が狭くなり小さな隠れ脳梗塞を起こします。次第に梗塞の数があちらこちらに増え、脳の血流が低下するようになると、はっきりとした症状はないけれども、脳の活動(記憶・感情・やる気)がダメージを受けることがあります。特に脳の線条体という「やる気」にかかわる部位の細い血管が詰まると、突然やる気がなくなる場合があります。口数が減る、周りが促さないと何もしないという状態が続きます。このやる気の低下で病気に気づくこともあります。
また血管性認知症(まだら痴呆)は、記憶力の低下が目立つのに、理解力や判断力はしっかりした認知症です。この認知症も小さな隠れ脳梗塞の場合が多く、はじめの症状はやる気がなくなり、なんとなく元気がない、口数が少なくなったという場合が多いのです。
この隠れ脳梗塞の原因は高血圧ですから、上が140以上、下が90以上が長く続く場合は要注意です。さらにこの隠れ脳梗塞によるやる気の低下は、リハビリで回復することも分かっています。早期診断が大切です。
(マイタウン H.26年8月掲載)