日常生活を健康で支障なく送ることができる期間を「健康寿命」といいます。しかしこの健康寿命を脅かす危険な老化があります。①食が細くなるためにおこる「低栄養」、②足腰の衰えによる「歩行能力の低下」、③脳の老化による「認知能力の低下」、④骨密度の減少は寝たきりや要介護状態になりやすいため、健康寿命を脅かす危険な老化といえます。
まず食べることで大切なことは、動物性たんぱく質、肉、魚、卵、乳製品をしっかりとることです。動物性タンパク質をしっかりとっている高齢者は、血液中のアルブミンというタンパク質の値が高く、長生きする傾向があります。次に「老化は脚から」といわれるように年をとると歩行能力が徐々に衰えてきます。そして歩行速度が低下します。その原因は、筋肉の老化です。足腰の筋肉は加齢により減少しやすく、特に使わないでいるとどんどん減っていきます。よく歩いて足腰を鍛えましょう。歩幅を広げて少し速歩出歩くと、歩行能力はかなりアップします。近年、運動することは認知症予防に効果が望めることが分かってきました。特に認知症予防になる運動は、「ながら運動」が効果的です。運動にゲームの要素を取り入れた方法で、考えながら体を動かすのがポイントです。仲間と散歩しながらしりとりをする、足踏みをしたり、手拍子をとったりしながら歌を歌うなど2つ以上のことを同時に行ないながら運動することです。
最後に脳の健康のためには、活動的な生活、人や社会と関わり、仲間と余暇を楽しむなど積極的な交流が大切です。脳も体と同じで使わないでいるとどんどん衰えていくのです。元気で長生きする秘訣は、「よく食べ、よく歩き、人とふれあう」この当たり前のことを毎日継続することが、健康寿命への近道です。
(マイタウン H.26年2月掲載)