手や足の脱力感やしびれ、失語(言葉が話せない、または理解できない)などの脳の障害による症状が急激に起こり、数分から24時間以内に完全になくなり、後遺症なく回復するような場合、一過性脳虚血発作と言います。
実際に発作中に患者さんを診ることは少なく、症状の起こり方、持続時間、消失の仕方を確かめなければ見逃しやすいのです。発作を忘れている人もいます。よく診察すると、軽い麻痺や言語障害などを認めることもあります。
症状は一時的ですが、脳に小さな脳梗塞があることも多く、その原因は小さな血栓(血のかたまり)ができ、数分後に溶けるためと考えられています。
この病気が注目されるのは、約3割強の患者さんが脳梗塞になる発作を繰り返すうちに、後遺症が残り重くなるが、適切な治療をすれば予防できるからです。
特定健診を受ける時に
(1)血管年齢検査、(2)頸動脈エコー検査
を受けるようにしましょう。
(マイタウン H.30年10月号掲載)