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間欠跛行

血管性と神経性を見分ける

 日常生活で下肢のストレッチなどをするとすぐふくらはぎがつりやすいとか、夜寝ているときに自然とふくらはぎがつって痛むと訴える高齢者が多くなっています。はじめはよくふくらはぎがつると訴えていた患者さんも徐々に悪化すると「間欠跛行」という特徴的な症状をおこします。
 跛行とは「『びっこ』をひいて歩くこと」をいい、主に痛みによりいったん歩行不能になるが、静止すると短時間で緩解する状態を表わした言葉です。
 この間欠跛行の原因には動脈硬化によりおこる血管性の場合と神経が圧迫されておこる神経性の場合の二種類があります。
 神経性間欠跛行は腰部脊柱管狭窄症によりおこります。一方血管性間欠跛行は閉塞性動脈硬化症や閉塞性血栓血管炎などの慢性動脈閉塞症が原因でおこります。この両者の区別は難しいことが多く、その原因は特徴的な症状が似ていて、好発年齢も同じような患者さんに発病し、両者を取り扱う診療科が違うためと思われます。しかし両者とも進行性の病気であり、神経性の場合は下肢の麻痺や尿や便失禁などの膀胱直腸障害にいたるし、血管性の場合は下肢の壊死など最悪の例では下肢の切断をしなければならないことがあります。
 診断の決め手は、
  1)立位負荷試験(立位のみで下肢痛が誘発される)
  2)姿勢因子(前屈位にて下肢痛が軽快する)
  3)足背動脈の拍動欠損
  4)ふくらはぎに限局した痛み
があげられます。腰部脊柱管狭窄症では、特有の症状として立位負荷試験と姿勢因子、慢性動脈閉塞症では足背動脈の拍動欠損、ふくらはぎの筋肉に限局した痛みが特徴的で鑑別診断に有用です。
 最も有用な診断法は脈波速度による動脈硬化の測定で、血圧脈波検査装置を用いて検査が可能です。この検査は上腕の血圧と足関節上部の血圧を同時に測定し、その比率を調べます。正常値は1.0以上で、もし0.9未満の場合は動脈閉塞病変がほぼ100%の確率で存在します。この血圧脈波検査は非侵襲的検査で簡便な方法ですが、鋭敏に血管病変を検出します。
 神経性の間欠跛行は整形外科で診断され治療され、リハビリ、神経ブロックや手術などいろいろな方法があります。一方血管性の間欠跛行は、単に下肢の動脈硬化だけにとどまらず、心筋梗塞や脳梗塞の病変を持っている患者さんも多く、死亡原因になる場合も多いのです。
 下肢の痛みや歩行障害、ふくらはぎのけいれんや筋肉がつって痛む場合には、動脈硬化の検査をして、まず血管性病変のチェックが必要です。さらに虚血性心疾患や脳血管障害の合併もないか調べながら、神経性病変による間欠性跛行との区別をつけることが重要です。


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