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治療により改善する認知症(1)―正常圧水頭症と慢性硬膜下血腫―

先日、NHKの「ためしてガッテン」の番組で認知症の話が放送されていました。
手術で劇的に改善する病気として正常圧水頭症と慢性硬膜下血腫がとりあげられていました。今回は、正常圧水頭症についてもう少しわかりやすくお話します。

私たちの頭の中には「髄液」と呼ばれる液体が脳や脊髄を保護するために流れています。
髄液は、脳の中心にある脳室からしみ出し、脳と脊髄をひと回りし、静脈に吸収されていきます。髄液は、脳や脊髄のまわりに150mlあり、脳室から毎日450mlが産生されますから、一日で3回入れ替わっているのです。正常圧水頭症はこの髄液の循環が障害され、頭の中に髄液がたまると脳室が拡大し、脳が圧迫され、認知症、歩行障害、尿失禁などの特徴的な症状が出てきます。この正常圧水頭症の患者さんは30万人いることがわかっています。アルツハイマー病からすると少ない割合ですが、決して無視できる患者数ではありません。そして正確に診断して手術(髄液シャント手術)をすれば、症状が改善する認知症なのです。

症状の特徴は、記憶障害がひどくなるアルツハイマー病と異なり、集中力や意欲が低下し、一日中ボーッとしている、呼びかけに対して反応が悪くなります。
また、歩行障害は、すり足で、歩幅も小刻みになり、特にUターンする時にふらつき、よろめき、うまく止まれません。病気の初期には、この歩行障害が出やすいといわれています。さらに、トイレが近くなる頻尿や、尿意が我慢できなくなり失禁も起こります。

診断は、これらの症状と脳のCTやMRIで脳室の拡大が確認されれば、この水頭症を疑います。そして、外来でもできるタップテスト(髄液を少し抜いて排除する検査)で症状が改善するかを試して、手術で症状が改善するかを事前に調べることができます。このタップテストで症状が改善する場合は、髄液シャント手術が有効です。

この正常圧水頭症は、手術で症状が改善できる認知症ですから、是非この病気のことを認識してください。手術により患者さんの自立が高まれば、介護負担も軽くなり、GOL(生活の質)も向上します。

※マイタウンCUBE 2012年4月号掲載

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