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安静にしないことのすすめ

〜高齢者のQOLを高める〜

図1 2005年、統計上日本の人口は、死亡者が出生数を上回り、初めて人口減少時代に入りました。現在わが国では高齢者(65歳以上)が人口に占める割合は19%を超え、2014年には25%を突破し4人に1人は高齢者という、超高齢社会が到来することになります。高齢者のうちでも、特に75歳以上の後期高齢者の人口が増えて、2020年以降には65〜74歳までの前期高齢者の数より多くなると推定されています。
 図1は前期高齢者(65〜74歳)、75歳以上、90歳以上の将来推計人口を示しています。65歳までの生存率はほぼ頭打ちですが、75歳以上の高齢者はさらに増加傾向を示しています。
 人は高齢化にともなって感覚や知覚が鈍化し、記憶力や判断力が低下します。体力の衰えとそれに伴う気力の衰えも急激にすすみ、病気がちになったり対人関係もうとましくなったりします。こうした状況にあって、高齢者は貧困、病気、孤独に追い込まれることになり、生きがいを見出せなくなっています。高齢者の健康を阻害するものは病気よりは、むしろ身体と精神の虚弱に起因する症候群である「老年症候群」と呼ばれる一連の現象です。高齢者はさまざまな問題点を抱えて生活しています。大切なことはいかに自立した生活−生活機能(ADL)と生活の質(QOL)−を続けられるかということです。
 病気があっても治すことが最終目的ではなく、多くの障害を抱えていてもいかにして生活の質を保つかが大切です。具体的には、健康的な自立を阻害する要因の早期発見が重要です。  


<老年症候群>
 「65−74歳」の前期高齢者は、健康度は極めて高く、社会的活力もあってもはや老人とは呼べない集団です。一方、75歳を越える「後期高齢者」では、老化の伴う心身機能や生活機能の低下がはっきりと現れてきます。
 表1(下記)は85歳以上の高齢者の自覚症状と病気の表ですが、自覚症状は男女ともに1位は「聞こえにくい」であり、「物忘れ」「腰痛」「手足の動きが悪い」などの症状が多いことがわかります。また病気では、男女とも第1位は高血圧症、第2位は白内障、第3位は腰痛症です。特に平均寿命の長い女性では、何らかの介護を必要とするような不健康寿命も長く、その可能性も高いのです。女性におけるこのような不健康寿命の長期化の最大の要因は、筋骨格系での老化が男性よりも顕著だからです。元来、女性は筋肉の量が少なく、筋力が弱いこと、および骨粗しょう症の発症率が高く、骨折(特に大腿骨頚部骨折)発症が多いことです。
 高齢者の特徴として、病気の症状は典型的な症状をしめさず、症状が軽くても重症化している場合も多いのです。また個人差が大きいことも特徴です。高齢者のなかには、虚弱で家に閉じこもりがちな人もいれば、元気で活発に生活をエンジョイしている人々も多くいます。
 表1(下記)に示しましたように、老化に伴って起こる自覚症状を老年症候群と呼びます。高齢者において比較的高頻度にみられ、日常生活に影響を与えることが多い症状です。具体的には、痴呆、転倒、骨粗しょう症、嚥下障害、褥瘡、睡眠障害などがあげられます。また比較的元気な後期高齢者にも容易に要介護状態になる兆候として、転倒、失禁、低栄養、生活機能低下、閉じこもり、睡眠障害、うつ、認知機能低下、口腔の不衛生状態、足のトラブルなども老年症候群に入ります。
 老年症候群は、
1)明確な疾病ではない(年のせい)
2)症状が致命的でない(生活上の不具合)
3)日常生活への障害が初期には小さい(本人にも自覚が少ない)
という特徴があります。このような老年症候群こそが著しい心身の虚弱化とともに潜在的な疾病を顕在化させ、やがて廃用症候群を経て、寝たきりへと向かうことになります。

表1

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